ニュースレター Vol.48

ニュースレター Vol.48 page 2/8

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授賞対象分野「健康、医療技術」授賞業績がん特異的分子を標的とした新しい治療薬の開発ジャネット・ラウリー博士1925年4月5日生まれシカゴ大学ブラム・リース特別教授受賞のことば天皇皇后両陛下、ご来賓の皆様、か....

授賞対象分野「健康、医療技術」授賞業績がん特異的分子を標的とした新しい治療薬の開発ジャネット・ラウリー博士1925年4月5日生まれシカゴ大学ブラム・リース特別教授受賞のことば天皇皇后両陛下、ご来賓の皆様、かつての日本の研究仲間の皆様、そしてご来場のすべての皆様。この度、世界的権威のある日本国際賞を受賞させていただき大変光栄に思います。これまでにこの賞を受賞された世界的に高名な科学者の皆様に私の名を連ねることを誇りに思い、また恐縮しております。染色体の転座を発見した私の成果をもとに、がん治療薬を開発した2人の著名な研究者とこの栄誉を分かち合えることを大変嬉しく思います。染色体の組替えを発見した1972年当時、その役割はまだ解明されていませんでした。すなわち細胞のがん化プロセスに転座した染色体が関与するという確証がなかったのです。転座切断点の識別が可能になり、この染色体異常ががんの発症に決定的に関与することが明らかになりました。本日共同受賞された2人の研究者は、転座切断点にある遺伝子の作用に着目し、この遺伝子の特異な働きを阻害する低分子化合物を開発しました。そして幸運にも、慢性骨髄性白血病(CML)に画期的な治療効果のある分子標的薬の開発へとつなげました。最後に、2012年日本国際賞「健康・医療技術」分野の受賞者に私たちを選定してくださった、国際科学技術財団ならびに審査委員会の皆様に厚く御礼申し上げます。ブライアン・ドラッカー博士1955年4月30日生まれオレゴン健康科学大学教授、ナイトがん研究所長受賞のことば日本国際賞を受賞し、また、尊敬する歴代の受賞者の皆様と同じ仲間に加えていただいたことを大変名誉に思います。とりわけ天皇皇后両陛下のご臨席のもと受賞しましたことは身にあまる光栄であります。国際科学技術財団の幹部の方々、また日本国際賞の審査委員会の皆様に厚く御礼申し上げます。いつも私の励みであったジャネット・ラウリー博士や、分子標的薬の開発に誰よりも熱心に取り組んだ盟友のニコラス・ライドン博士とともにこの賞を受賞できることをこの上なく光栄に思います。この場をお借りして私の研究生活を支えてくれた多くの友人や同僚、そして日本からご協力頂いた方々にお礼を申し上げたいと思います。私の研究室の立ち上げに力を貸してくださった小田司博士と田村修博士のお2人や、数多くの論文を共同執筆してくださった金倉譲博士や小田淳博士、またイマチニブの臨床試験をお手伝いいただいた多くの日本の治験医師の方々にお礼を申し上げます。私は科学者としてばかりでなく臨床医として、私たちの研究成果によって元気に生活しておられる患者さんと日々接することを大変幸せに感じています。患者さんと接することにより、さらに効果的な治療法を求めて研究を続けたいと思います。またこの賞の栄誉を患者の皆さんと分かち合いたいと思います。