研究助成一覧

2010年

1分野10件、計20件の募集を行い、選考委員会による厳正なる選考の結果、次の若手研究者19名の研究テーマが採択されました。

「工業生産・生産技術」分野

超音波共振による応力同定
araki

埼玉大学大学院 理工学研究科 准教授
荒木 稚子

助成額 100万円

科学技術の発展に伴う材料の高機能化の要求により、異種材料の複合構造化が行われている。複合化は、優れた機能を得ることができる一方、構造内部には大きな応力が残留する。このような残留応力は、機能低下さらには材料劣化・構造破壊を引き起こすことが懸念されるが、非破壊・簡便な内部応力測定法は未だ確立されていない。本研究では、共振現象を利用した超音波共振法により、残留応力を同定する手法を確立する。
エピタキシャル磁性薄膜形成技術と微細構造・物性評価に関する研究
ohtake

中央大学大学院 理工学研究科 博士後期課程2年
大竹 充

助成額 100万円

高度情報化社会の中、高速・大容量のストレージデバイスが求められている。デバイスの大容量化を図る新記録方式として記録ビット分離型のパターンド媒体技術が検討されており、結晶方位関係が制御されたエピタキシャル磁性薄膜の形成技術の開発が必要となっている。本研究では単結晶基板上にエピタキシャル磁性薄膜を形成する技術の開発とその物性解明を行い、数年後以降実現が期待されているパターンド媒体技術の基礎構築を図る。
フェノール性環状高分子-イオン液体ナノハイブリッド材料の創成
namakosi

金沢大学 理工研究域物質化学系 助教
生越 友樹

助成額 100万円

フェノール性高分子は、優れた機械特性を有するエンジニアリングプラスチックである。一方、イオン液体は、高い熱安定性やイオン伝導度を示す新材料として、世界中から注目を集めている。本研究では、フェノール性環状分子を連結することで得られる、フェノール性環状高分子の3次元網目構造中に、イオン液体をナノレベルで取り込んだ、高イオン伝導性フェノール性環状高分子-イオン液体ナノハイブリッド材料の合成を行う。
高効率・省エネルギーデバイス用基板の高能率・高精度平坦化加工法の開発
kubota

熊本大学大学院 自然科学研究科 助教
久保田 章亀

助成額 100万円

炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)は、電力機器の低コスト化・小型化・省エネルギー化を実現できるデバイス用材料として注目されている。しかし、これらの材料は、高硬度かつ熱的・化学的に安定であるがゆえに、加工することが難しく、その難加工性がデバイス製造時の技術的課題となっている。本研究の目的は、これらの先進エレクトロニクス材料を高能率・高精度に平坦化できる新しい加工法を開発することである。
光学式マイクロ粘性センサーを用いた薄膜製造プロセスのリアルタイムモニタリングに関する研究
taguchi

慶應義塾大学 理工学部 専任講師
田口 良広

助成額 100万円

有機薄膜製造プロセスにおいて、塗膜の粘性率は歩留まりや品質向上のために必要不可欠なパラメーターであり、粘性率変化のリアルタイムモニタリングが望まれている。本研究は、光MEMS(微小電気機械システム)技術とレーザー計測技術を革新的に融合することで、蒸発や振動が存在する成膜プロセスにおいて安定して高速に粘性率を計測可能な光学式マイクロ粘性センサーを開発しリアルタイムモニタリング技術の確立を目指す。
デンドリマー型水中触媒による生体内の凝集物の分解
tanaka

京都大学大学院 工学研究科 助教
田中 一生

助成額 100万円

複合型デンドリマーを用いて、生体より産出される凝集物の可溶化と分解が同時に可能な触媒を作成する。表面修飾によりイオン液体となるデンドリマーを合成し凝集体を分散させる。デンドリマー内部には触媒を組み込むことで分解反応を行う。特に、セルロースの分解による代替燃料への転化やβアミロイドの分解反応について検討する。
高アスペクト比極細レーザ穴加工法の開発
hitai

東京工業大学大学院 理工学研究科 助教
比田井 洋史

助成額 100万円

極細、高アスペクト比の穴加工は、例えば、エンジンの燃料噴射ノズルをはじめとして多くのニーズがある。申請者らはある条件下でレーザにより極細高アスペクト比(直径7μm、アスペクト比100以上)の穴があくことを見出した。そこでこの加工メカニズムを解明することで、このような高アスペクト比の加工が実現できる条件、加工の限界について明らかにする。
曲面を有する製品の曲面表現手法と製造方法に関する研究
matsuo

独立行政法人 海上技術安全研究所 生産システム系 研究員
松尾 宏平

助成額 100万円

本研究は、平面から曲面を生み出す生産プロセスを数理的に分析し、合理的な加工方法を与えることを目的としている。具体的には、加工において面内の伸び・縮み・折込みを要する曲面(非可展面)の製造技術を対象に、幾何学的な形成プロセス(折り線(山線・谷線)、加えて、伸び・縮み・折込み線)を任意の非可展面に対して求め、それを利用して各製造物固有の最適な生産プロセスを研究開発するものである。
多点認識-協奏機能触媒を活用した医薬品の低環境負荷生産
matsunaga

東京大学大学院 薬学系研究科 講師
松永 茂樹

助成額 100万円

申請者が独自に開発してきた酵素類似の多点認識―協奏機能をもつ人工触媒(複核シッフ塩基触媒系)を活用し、医薬品生産における廃棄物の大幅な削減と環境負荷の低減化を目指した研究を行う。まず実用性を重視した耐久性の高い触媒系として複核シッフ塩基触媒系の最適化に取り組み、その後、抗インフルエンザ活性を有する化合物など数種の医薬品、医薬候補品の効率的合成ルートの確立を目指す。

(所属、役職は助成当時のもの、五十音順)

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「生物生産・生命環境」分野

機械受容チャネルタンパク質を用いたアミノ酸生産の効率化
ojima

大阪大学大学院 基礎工学研究科 助教
尾島 由紘

助成額 100万円

大腸菌の細胞膜上に存在する機械受容チャネルタンパク質MscSは、チャネル部分の直径が11Åの7量体タンパク質であり、「単分子の細胞への取込と排出を行う」、「遺伝子工学的な操作によりチャネル部分の開閉をある程度制御できる」などの特徴を持つ。本研究では、MscSを微生物生産、特に大腸菌のアミノ酸生産に応用し、基質の取込み速度を促進することで、アミノ酸生産大腸菌の生産効率の向上を目指す。
熱帯アジアの水資源枯渇に対応する稲作技術「エアロビックライス法」の開発および有望系統の探索
kato

東京大学大学院 農学生命科学研究科 助教
加藤 洋一郎

助成額 100万円

熱帯アジアでは、今世紀に入り農業用水の不足が懸念されており、水資源および作物生産の持続性が危惧されている。爆発的に増加するこの地域の人口を支えるため、持続的な水資源利用を可能にする節水稲作技術の確立が求められている。本研究では、新しい節水技術として浮上している「エアロビックライス法」に注目し、この栽培技術の確立を目指すとともに、この栽培法に適した有望な多収イネ系統の探索および特性評価を行う。
家畜品種の保存・多様性維持のための異種間体細胞クローン技術開発
kaneda

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 研究員
金田 正弘

助成額 100万円

体細胞クローン技術は、絶滅危惧動物の保護・再生の手段として大いに期待されている。しかし、これらの動物の組織からドナーとなる細胞を分離できても、レシピエントとなる卵子を入手することは非常に困難である。そのため、異種の卵子を用いたクローン技術の確立が求められている。そこで、本研究課題では異種間クローンの第一歩として、多量に入手できるウシ卵子に水牛の細胞核を移植し、異種間クローン胚作製・解析を行う。
イネいもち病菌との共存による防除技術確立のための野生イネ由来遺伝子の探索と品種育成への応用
koide

独立行政法人 国際農林水産業研究センター 生物資源領域
特別派遣研究員
小出 陽平

助成額 100万円

イネのいもち病抵抗性品種の導入と抵抗性品種を加害するいもち病菌の出現は宿主と寄生者間の軍拡競争として例えられる。本研究では野生イネの持つ部分的な抵抗性を活用しイネと病原菌との共存を図ることによる持続的な防除技術を確立することを目的とする。そのために、1.戻し交雑自殖系統群(BILs)を用いた野生イネ由来の圃場抵抗性遺伝子の探索、2.DNAマーカー選抜による圃場抵抗性遺伝子の栽培イネへの導入を行う。
太陽光駆動型人工酵素の作製
tanaka

京都大学 エネルギー理工学研究所 助教
田井中 一貴

助成額 100万円

光合成に代表される、クリーンで無尽蔵な太陽光をエネルギー源とする物質生産システムを人工的に再構築する方法論は未だに確立されていない。本研究では、高い電荷輸送能を示すDNAを構造基盤として、光アンテナを導入することにより、高効率な光電変換ユニットを作製する。次に、光合成過程を模倣して、これらのユニットを天然の酸化還元酵素に導入することで、太陽光によって物質変換反応を触媒する人工酵素を作製する。
シカ・イノシシ高密度生息地域における、ススキ草原の生物多様性と観光資源利用の持続性を保全するための管理手法の開発
hashimoto

兵庫県立人と自然の博物館 研究員
橋本 佳延

助成額 100万円

かつてススキ草原の生物多様性の保全には、年1回の火入れが最適とされ、「景観・多様性・火入れ」が観光資源として有効利用されてきた。しかし近年、増加するシカやイノシシによる食害が原因と推測される、ススキの密度や草原生植物の多様性の低下という新たな問題が生じており、観光資源としての利用の持続性も失われつつある。本研究ではこれらの要因の影響の真偽を実験により検証し、新規問題に対応できる管理方法を開発する。
新規レポーターアッセイ系の開発と海洋メタゲノムからの生理活性物質生合成遺伝子の探索
fujita

熊本大学大学院 先導機構 特定事業教員(特任助教)
藤田 雅紀

助成額 100万円

多様な抗生物質を認識し、耐性遺伝子の転写を活性化する受容体型転写因子SCO4008を利用した、新規レポーターアッセイ系を構築し、海洋メタゲノムライブラリのスクリーニングに適用する。それにより、医薬品として有用な、海洋天然物の新規生合成遺伝子を探索し、クローニングする。その後、大腸菌や酵母など培養容易な微生物に導入し、異宿主発現法により、これまで供給が困難だった物質の生産につなげる事を目的とする。
デンプン粒の形状多様性を支配する分子機構の解明
matsushima

岡山大学 資源生物科学研究所 助教
松島  良

助成額 100万円

デンプン粒は、植物が光合成産物として色素体内に蓄積するグルコース多量体であり、人類生存の基盤となるエネルギー源である。デンプン粒の形状は植物種によって大きく異なるが、その多様性を規定する分子機構は現在まで不明である。また、この形状の多様性がデンプンの多様な目的用途(食品加工・工業用)につながっている。本研究では、遺伝学的ならびに細胞生物学的手法を駆使し、デンプン粒の形状多様性の分子機構を解明する。
植物が潜在的に持つ高温機能性免疫機構の解析
mizumoto

高知大学 農学部 研究員
水本 祐之

助成額 100万円

植物は病原体の感染から自身を守る免疫機構を持つ。ヒトはこのような免疫機構を用いて、安定な作物生産体系を築いてきた。しかし、これまで利用されている植物免疫は28℃以上でその機能を失うため、高温では病原体による被害が甚大となる。本研究では、これまで唯一同定されている高温機能性抗ウイルス免疫作動遺伝子L1a による免疫作動機構を解析することで、高温機能性免疫を植物に付与する技術の開発を目指す。
ポリケチド生合成系の精密機能解析と応用
minami

北海道大学大学院 理学研究院 助教
南 篤志

助成額 100万円

生物は、医薬品や農薬、さらには化学生物学研究における機能性分子として作用する有用物質を数多く生産する。その物質生産機構(生合成機構)は「極めて効率的かつ普遍的」であるばかりでなく、「石油資源の利用から脱却した新しいシステムに基づく有用物質の創製」という点でも大変興味深い。本研究では、生物機能を利用した環境調和型の物質生産へ向け、代表的な二次代謝産物であるポリケチド生合成系を解析する。

(所属、役職は助成当時のもの、五十音順)

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