ストックホルム国際青年科学セミナー

国際科学技術財団ではノーベル財団の協力で、スウェーデン青年科学者連盟が毎年ノーベル賞週間に合わせてストックホルムで開催する「ストックホルム国際青年科学セミナー(SIYSS; Stockholm International Youth Science Seminar)」に毎年2 名の学生(大学生・大学院生)を派遣しています。SIYSS には世界各国から派遣された若手科学者が集い、ノーベル賞授賞式など諸行事に参加したり、自身の研究発表を行います。SIYSS への派遣は、若手科学者に比類ない国際交流の機会を提供するだけでなく、科学に対するモラルの向上や熱意の高揚にも役立っています。1987 年以降、これまでに62名の学生を派遣しています。

2018年参加学生のレポート

2018年12月は慶應義塾大学の伊津野さんと東京工業大学の土山さんが参加しました。
以下はお二人のレポートです。 

2018年度のストックホルム国際青年科学セミナー(通称: SIYSS)は、12月4日から11日にかけて行われた。参加者は19カ国から集まった25名で、日本からは、伊津野舞佳(慶應義塾大学4年)と土山絢子(東京工業大学4年)の2名が派遣された。25人は、それぞれの国で、工学や生物学、地学、数学、物理学など多岐に渡る分野のいずれかについて理系の研究を行なっており、18歳の大学1年生から博士課程に在籍する者や助教を務める者まで、さまざまな背景を持った若手研究者が一堂に会する貴重な機会となった。

約1週間のストックホルム滞在期間の中で、前半にはこのプログラムの主目的であるセミナーを経験し、後半にはノーベル財団のご厚意により、様々なノーベル賞関連イベントへ参加、出席させて頂くことができた。非常に充実したスケジュールであったが、その合間に、食事やイベントを通しての相互文化交流や、スウェーデンの文化に触れる企画も積極的に行われた。実際のスケジュールを以下に示す。

6日に行われたSIYSSや7日の倫理セミナーに向け、到着した次の日にはすぐに準備を行った。自らの研究内容や意見を発信する機会であるため、各々緊張と期待のなかプレゼンテーションの準備などに取り組んだ。迎えた8日のSIYSS本番では、25人がプレゼンテーションを順番に行う傍、それ以外の時間は自分のポスターの前に立ち、訪れた現地スウェーデンの高校生たちと交流しながら研究内容を伝えた。これだけ多くの高校生の前で発表するという場はなかなか得られるものではなく、プレゼンテーション終了後には、想像以上の達成感が押し寄せた。また、ポスター発表では、高校生の素直な感想や疑問、サイエンスへの興味などの声に触れ、私たちの発表にも自然と熱が入っていった。翌日の倫理セミナーは、閉館後のノーベル博物館を貸し切り、特別な空気の中ディベート形式で遺伝子組み替え技術について議論し、非常に白熱したものとなった。

ノーベル賞関連行事としては、まず2日間に渡って各賞のレクチャーが行われた。これは、受賞者ご本人が、受賞内容やその研究領域に関してご講義されるというものであった。それぞれのプレゼンテーションには受賞者の方々の個性が詰まっており、どれも若手研究者である私たちにとって勇気をいただける内容であったが、特に、生理医学賞を受賞された本庶佑先生のプレゼンテーションに対しては他国からの参加者からも感動の声が聞かれ、日本人として本当に誇らしい気持ちになった。また、10日の授賞式に先立ち、9日の夜にはレセプションにご招待いただいた。受賞者の方が全員いらっしゃる機会であったため、国籍や分野の異なるSIYSS参加者同士で情報を補い合いながら受賞者の方に勇気を出して話しかけ、様々なアドバイスを直接いただくことができた。この経験は、私たちの今後の研究生活に大きな励みとなった。10日の授賞式や晩餐会では、予想以上の華やかさに圧倒されながらも、世界から注目されるノーベル賞の栄誉の場に立ち会える感動を噛み締めた。

先述のとおり、メインスケジュールの合間には運営の方が工夫してくださり、クリスマスやルシア祭、ミッドサマーといったスウェーデン独特の行事や食事を楽しめるような企画も多く用意されていた。短い時間であったが、旧市街、近代美術館、屋外博物館の見学に加え、Xylemというグローバル企業の見学もさせて頂いた。また、インターナショナルディナーや移動中での会話などを通し、異文化交流も盛んに行われた。

滞在中は、息つく暇もないほど目の前の経験に全力で取り組んでおり、じっくりリフレクションする時間がなかったものの、帰国してからは、様々な景色や受賞者の方々のお言葉を反芻しては、派遣中に頂いた学びの多さ、そして今後へ活かす使命感を改めて実感している。

最後になりましたが、選抜・派遣して頂きました国際科学技術財団のみなさま、現地で大変お世話になったSIYSS運営メンバーや他国からの参加者は当然のことながら、派遣を通してのすべての出会いに、この場をお借りして感謝申し上げます。

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