Press

Press Room

プレスリリース

2016年4月19日

国際科学技術財団 2016年度研究助成
1件当たり100万円を対象者23名に贈呈

 

公益財団法人 国際科学技術財団は、本日4月19日(火)、帝国ホテル東京にて、2016年度研究助成の対象となる研究者に向けた贈呈式を挙行いたしました。2016年度は合計23件に対し、1件当たり100万円を贈呈しました。

zouteishiki

2016年助成式の様子

研究助成は当財団が将来嘱望される若手科学者の研究活動を支援・奨励することにより、科学技術の更なる進歩とともに、それによって人類の平和と繁栄がもたらされることを目的とした事業です。毎年、35歳以下の若手科学者を対象に独創的で発展性があり、社会に貢献できる研究に対して助成金を贈呈しています。

研究対象は当財団が顕彰するJapan Prize(日本国際賞)の該当年度の授賞分野と同じ2分野に「クリーン&サステイナブルエネルギー」分野を加えた3分野です。毎年、各分野における権威ある大学教授等から構成される選考委員会を発足し、贈呈対象者を決定しています。

2016年度は今年の授賞分野であった「物質、材料、生産」と「生物生産、生命環境」の各分野で10件ずつ、「クリーン&サステイナブルエネルギー」分野で3件、合計23件(23名)に対し、贈呈を行いました。贈呈対象者の詳細につきましては次頁以降をご参照ください。

2006年に始まったこの助成制度で、財団はこれまで204名の若い研究者を支援してきました。贈呈対象者はJapan Prize授賞式と祝宴への出席の他、受賞者を交えた学術懇談会や記念講演会の傍聴など、その年の4月のJapan Prize週間の行事に参加します。受賞者の言葉を直接聞き、先輩研究者と交流して助言を得るなど貴重な機会になったとこれまで行事に参加した贈呈対象者は述べています。

また、贈呈対象者には小・中・高校生を主な対象とした「やさしい科学技術セミナー」の講師を務めていただきます。子供たちへの科学技術の知識の普及と啓発を目的としたこのセミナーは贈呈対象者の母校や大学キャンパス、研究所等、毎年全国各地で開催されています。最新の科学を平易な言葉で説明する座学に加えて、実験や観察も行うなど、講師の工夫をこらした熱意のこもったセミナーで科学ファンを増やしています。

 

2016年研究助成 贈呈対象者

 

「物質、材料、生産」分野 (10名)

(敬称略 五十音順)

名前
所属
研究テーマ
岩﨑 真之 岡山大学 大学院自然科学研究科 助教 触媒的な直截官能基化反応を利用した生物活性物質の環境調和型合成法の開発
覚知 亮平 金沢大学 理工研究域 自然システム学系 特任助教 イソシアニドの特異的な反応性に着目したアミノ酸類の定序性ペプチド様ポリマーへの化学変換
藏重 亘 東京理科大学 理学部 助教 安定金属ナノクラスターの高機能化に基づく安定かつ高機能なナノ物質の創製
黒田 義之 早稲田大学 高等研究所 助教 環境・エネルギー材料に向けたヘテロ構造を有する遷移金属系ナノ空間材料の 汎用的合成法
後関 頼太 東京工業大学物質理工学院 助教 応力の可視化を目指した力学応答性分子プローブの開発
武田 洋平 大阪大学 大学院工学研究科 准教授 外部刺激応答性光機能を兼ね備えた「熱活性化遅延蛍光(TADF)材料」の開発
田原 正樹 東京工業大学 科学技術創成研究院 助教 高い熱的安定性と大きな形状回復能力を両立する新規チタン系形状記憶合金の開発
夏井 俊悟 北海道大学 大学院工学研究院 助教 溶融塩浴流動粒子カソードプロセスによるCO2からの機能性炭素材料の生成と形態制御
信川 省吾 名古屋工業大学 大学院工学研究科 助教 分子配向とからみ合いを利用した透明プラスチック材料の高強度化
平野 圭一 東京大学 大学院薬学系研究科 助教 パーフルオロアルキル基 / ペンタフルオロスルファニル基導入反応の開発と機能創製

 

「生物生産、生命環境」分野 (10名)

(敬称略 五十音順)

名前
所属
研究テーマ
伊東 啓 長崎大学 熱帯医学研究所 講師 複雑相互作用を考慮した多ホスト-多パラサイト系の共進化動態による生物多様性・ 遺伝的多様性維持機構の解明
上原 拓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門 任期付研究員 生物多様性を利用した農作物生産 〜IBM農業に基づいた自然栽培の実践研究〜
後藤 栄治 九州大学 大学院農学研究院 助教 植物の環境応答を利用した植物生産性向上技術の開発
阪本 鷹行 徳島大学 大学院生物資源産業学研究部 助教 ポリマー原料の発酵生産を目指した油糧微生物の分子育種
佐々木 和浩 東京大学 大学院農学生命科学研究科 助教 イネの開花時刻を制御する遺伝子座の特定および早朝開花コシヒカリの育成
柴田 誠 京都大学 地球環境学堂 研究員 アフリカ熱帯林の原住民によるカカオ栽培が土壌肥沃度に与える影響の定量評価
鈴木 紀之 立正大学 環境科学研究所 客員研究員 気候変動とチョウの黒化パターンをグローバルスケールで解析する
仲田 麻奈 名古屋大学 高等研究院 特任助教 天水田におけるイネ生産性向上のための土壌環境ならびに根系機能の解明
増田 幸子 東京農工大学 大学院農学研究院 産学官連携研究員 イネ共生細菌を制御する遺伝子座の同定
宮川 一志 宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 准教授 光るミジンコを使用した環境モニタリング技術の開発

 

「クリーン&サステイナブルエネルギー」分野 (3名)

(敬称略 五十音順)

名前
所属
研究テーマ
奥村 真彦 仙台高等専門学校 機械システム工学科 助教 TiFe系合金を使用した安全かつ高密度に水素を貯蔵する技術の確立
上川 由紀子 国立研究開発法人産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 研究員 化合物薄膜太陽電池の高性能化に向けた結晶格子欠陥の制御技術の開発
野地 智康 大阪市立大学 複合先端研究機構 特任講師 常温大気下で太陽光エネルギーにより二酸化炭素を還元する「ガラスの葉」の作製
ページトップへ