歴代受賞者

1988年(第4回)日本国際賞受賞者

エネルギー技術分野
高速増殖炉の実用技術としての確立

 

写真

ジョルジュ・バンドリエス博士(フランス)

フランス原子力庁長官付科学顧問
(1920-2014)
授賞理由

 今日原子力エネルギーは世界の電力の約16%、国によっては最高70%を供給するに至っている。しかしながら、現在の発電用原子炉は軽水炉を主体とする熱中性子炉であって増殖比が約0.6程度と低いため、天然ウラン資源のエネルギー利用効率が数パーセントに過ぎない。ウラン資源を全面的に利用するためには、増殖比が1を超える高速増殖炉の実現が当初から原子力開発の技術的目標であった。その達成によってはじめて原子力が21世紀におけるエネルギー供給の資源的制約を克服して大きくこれに寄与しうることが出来る。

 ジョルジュ・バンドリエス博士は1952年、フランス原子力庁に入所され、原子炉設計の基盤確立に寄与したのに引続き、高速増殖炉の開発の必要性を力説され、イタリア、西ドイツ、イギリスの協力を得て、実験炉ラプソディの建設に着手し、その後今日の実証炉スーパーフェニックスの成功に至るまでの30年間、ヨーロッパにおける高速増殖炉開発の指導者として、その実用技術の確立を達成された。

 スーパーフェニックス炉は、電気出力120万KWの世界最初の大型実証炉であって、1986年に臨界に到達し、その後今日までの出力試験を通して、基本特性に関する設計の安全性が確認された。このスーパーフェニックスの成功は原子力界では最近における最大のイベントとして広く認識されるところであり、この成功によって高速増殖炉の基本パターンが確立したといえる。

 このように原子力研究の草創期からバンドリエス博士が指導者として高速増殖炉開発計画の推進に努め、実証炉を完成に導いた功績は極めて大きく、将来におけるエネルギー供給の資源的制約を乗り越える画期的なエネルギー技術の確立として、人類のエネルギー問題の解決に多大の貢献をなすものである。

 バンドリエス博士の業績はまさに「エネルギー技術」分野での日本国際賞を贈るに価するものであると高く評価し、ここにその功績を讃えて授賞を決定した次第である。

 

Japan Prize歴代受賞者による社会貢献

受賞者

Japan Prize 30年の歩み

page top