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猪股 勲

日本バイオプラスチック協会顧問

バイオプラスチック ~生分解性プラスチックとバイオマスプラスチック~

骨子

  1. 地球温暖化防止とバイオマスプラスチックの取り組み
  2. バイオマスプラスチックによる商品化はここまで進んだ
  3. 日本バイオプラスチック協会の活動
  4. バイオマスプラスチック製品の認証制度
  5. バイオマスプラスチックをめぐる世界の動向

要旨

 皆様、バイオプラスチックについてお聞きになった事はございますか?
約100年前のベークライトの発見に始まった、プラスチックは今、私たちの日常生活の様々な分野で利便性を支える素材として、広く活用されている事は、良くご存知のことと思います。
 20世紀に大きな発展を遂げたプラスチックですが、21世紀では、その機能・有用性に加えて、地球環境への配慮を基礎においた素材である事が求められています。
 「日本バイオプラスチック協会」(Japan BioPlastics Association)は、1989年の設立以来、使用後の廃棄物処理の局面で、環境負荷低減につながる「生分解性プラスチック」の普及促進を続けてきました。これに加えて2003年より、植物から作られる「バイオマスプラスチック」の普及促進を推進しています。今年のG8洞爺湖サミットの主要テーマが地球温暖化防止の取り組みであった事で明らかなように、化石資源の消費を出来るだけ減らし、地球温暖化の促進を抑えながら、社会生活に不可欠で有用な素材・エネルギーを供給することが今まで以上に強く望まれています。従来からの、省資源省エネルギーの活動に加えて、一歩進んだ取り組みとして、再生可能な有機資源(バイオマス)の活用が、その重要性を急速にクローズアップしています。
 バイオマスプラスチックは、21世紀の素材として、将来の量的拡大を含め、世界的に注目をあびています。2002年政府の「バイオテクノロジー戦略大綱」でも「植物原料プラスチックの飛躍的利用拡大」が取り上げられています。
 バイオマスプラスチックは、従来から包装資材分野を中心に、多くの企業による商品開発の努力により、活用範囲を拡大してきていますが、日本においては、更に、自動車関連・家電製品など耐久性を必要とされる大量消費材分野でも、世界に大きく先行して積極的取り組みを展開しており注目されています。
 世界的にも、今後大幅な供給拡大の計画が発表されており、日欧米を中心に激しい開発競争が続いています。現在のバイオマスプラスチックの原料は穀物資源が殆どですが、将来的には食物との競合の無い非可食のバイオマス資源(リグノセルロースなど)への移行を視野に入れた、取り組みが進められています。
 今回の講演では、バイオプラスチックをめぐる最近の動向につき、日本の状況を中心にご説明し、今後の課題などについても解説いたします。
 日本バイオプラスチック協会は、米・欧・アジア等の関連機関との連携も深めながら、グロバルなバイオマスプラスチックの普及促進の体制つくりを進めています。

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