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プレスリリース

2020年2月4日

2020年(第36回) Japan Prize(日本国際賞) 受賞者決定

「エレクトロニクス、情報、通信」分野
photoロバート・ギャラガー 博士
「生命科学」分野
photoスバンテ・ペーボ 博士

公益財団法人国際科学技術財団(理事長 小宮山 宏)は、本日2020年2月4日(火)、2020年(第36回)Japan Prizeの受賞者を発表しました。本年は「エレクトロニクス、情報、通信」分野と「生命科学」分野を授賞分野として選定し、「エレクトロニクス、情報、通信」分野ではロバート・ギャラガー博士(米国)が、「生命科学」分野ではスバンテ・ペーボ博士(スウェーデン)が選ばれました。

「エレクトロニクス、情報、通信」分野のギャラガー博士は「情報理論・符号理論に対する先駆的貢献」、「生命科学」分野のペーボ博士は「古代人ゲノム解読による古人類学への先駆的貢献」がそれぞれ授賞業績となりました。

また、4月には「Japan Prize Week(日本国際賞週間)」と称し、受賞者が来日しての様々な行事が予定されており、4月15日(水)には国立劇場にて授賞式、4月16日(木)には東京大学伊藤国際学術研究センターにて受賞記念講演会を予定しています。受賞者には、授賞式において賞状、賞牌及び賞金5,000万円(各分野)が贈られます。

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ロバート・ギャラガー 博士

1931年5月29日生まれ(88歳 米国)
マサチューセッツ工科大学名誉教授

<授賞対象分野>
「エレクトロニクス、情報、通信」

<授賞業績>
情報理論・符号理論に対する先駆的貢献

<研究概要>
テレビやパソコン、携帯電話など生活に身近な通信機器から、素粒子物理学や天文学などビッグデータを駆使する最先端の研究にいたるまで、デジタル情報通信は、今日の社会を支える基盤技術の一つです。
しかしながらデータ通信を行う際には、外部から入るノイズ(雑音)などの影響により、誤りが生じます。そこで、この誤りを検出して訂正するための方法が、長年にわたり研究されてきました。
ロバート・ギャラガー博士が提案したLDPC 符号(低密度パリティ検査符号:Low-Density Parity-Check Codes)は、極めて高い信頼性があり、また実用面でも優れています。第5世代移動通信システム(5G)での採用をはじめ、高速大容量通信を支える技術として期待されています。

https://www.japanprize.jp/prize_past_2020_prize01.html

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スバンテ・ペーボ 博士

1955年4月20日生まれ(64歳 スウェーデン)
マックス・プランク進化人類学研究所 教授

<授賞対象分野>
「生命科学」

<授賞業績>
古代人ゲノム解読による古人類学への先駆的貢献

<研究概要>
私たちはどこから来たのか……。
「現生人類(ヒト)の誕生と進化」の解明は、古人類学の大きな課題の一つです。古人類学では、発掘された骨や歯の化石の形態をもとに、その進化や分類が論じられてきましたが、1980年代の中頃に、スバンテ・ペーボ博士は、DNAを抽出して解析する「遺伝学的手法」を取り入れ、以来この方法で現生人類の進化の核心に迫る成果を次々にあげてきました。
特に、ネアンデルタール人のDNA解析の結果から、現生人類の祖先とネアンデルタール人が交雑していたことを明らかにしました。また、ロシアのデニソワ洞窟から発掘された骨の化石のDNAからは、これまで知られていなかったデニソワ人の存在を明らかにしました。
博士は、古代人DNAの解析を通して、現生人類とはなにものかという根源的な問題に新たな光を当てたのです。

https://www.japanprize.jp/prize_past_2020_prize02.html

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